症状を緩和する薬物療法

心療内科における薬の処方

心療内科においては、カウンセリングと薬物療法を併行して治療が進められるケースが多いのが特徴です。心療内科で処方される薬には、精神を安定させる薬や不安を取り除く薬、睡眠薬などがあります。同じ薬を処方する場合でも、患者の症状によって、医師による服用量や服用回数の指示が異なります。内服薬として定期的に服用するよう指示される薬もあれば、頓服薬として症状が特に悪い時、辛い時に服用するために処方される薬もあります。どの診療科においても、薬の服用量や種類は患者によって様々ですが、心療内科の薬物療法においては、特に個々の患者の症状に合わせて服用指示が出される傾向が強いです。急性期には複数の種類の薬を必要としていた患者が、症状が安定するにつれ、薬の種類や量が減ってくるケースが多々あります。

処方される薬の効き目

心療内科において精神状態が安定するように処方される薬は、効き目がすぐに表れるものではなく、長期間服用することによってその効果をようやく実感できるものが中心です。カウンセリングを長い目で見て焦らずに続けてゆく必要があるのと同様、薬物療法もまた気長に継続することが求められます。心療内科で処方される薬のうち、短期間でも比較的効果を実感しやすいのが睡眠薬です。心に悩みを抱えて考え過ぎてしまった結果、寝つきが悪くなり、夜の眠りが十分に取れなくなってしまう人もいるため、睡眠薬は心療内科で処方される薬のなかでも多くの患者が服用しています。睡眠導入剤を上手に取り入れると、寝付きが悪かったのが改善される、中途覚醒がなくなる、といった症状の緩和がみられます。